わたしは高校までを海外で過ごし、帰国してからは、戸山女子大とあだ名されるほど女子が多い、文学部キャンパスに通ったため、これまで性差を意識する機会がなかった。でも、今回わたしが配属された部署は、女子が新入社員を含めて4人しかいないので、よくも悪くも特別扱いされる。昨日の飲み会でも、色々なことを言われて、なんだか疲れてしまった。

こういう小さなことが積み重なって、人は病むのだろうと思う。子どもの頃から自殺するのではないかと心配されていたわたしもきっと病むだろう。でも、死なない。わたしは誓ったのだ。死なない文学少女であることを。由布阿字子の年は超えた。「河口の中は、ぱあっと明るいわ」。けど、わたしはこちら側にとどまる。