島田雅彦講演会「文学のために、文学のためでなく」@小野記念講堂

メモを取り忘れたのでうろ覚えですが、だいたい以下のような話をしていました。夢が創作欲の源だという話。「オシャレな絶望」から生まれる「優雅な逃避」としての文学の話。本と作家の寿命の話。世の中を呪う文学の話。年をとってからの愚行の話。愚かな現実をやり過ごし、既存の価値観や通念を疑う文学の話。あとは詩を2篇朗読されていました。

いい席で美貌を拝むことができて大満足。全共闘世代(?)の男性が、「昔は左翼寄りだったと思うのですが、天皇制に対する尊敬が芽生えたのは誰の影響ですか?」という内容の質問をしてどきっとしたのだけれど、軽くいなしていて素敵だった。「役者さんのようなお声ですが、きたえていらっしゃるんですか」「そのジャージ(紺地に白で「萌え」と書いてある)はどういったお考えで着てこられたんですか」など笑える質問が飛び交い、「もうちょっとまともな質問をしてください(?)」と苦笑される始末。古川日出男鹿島田真希の対談は真面目な質問が多かったのに、この差はいったい…。
天皇家の話にも、最後の「いじめ問題についてどう考えていますか」という質問の答えにも関係のあることだけれど、一般人にも生き延びる知恵が必要だということかな。現実は往々にしてシビアでイラショナルだけれど、真っ向から立ち向かってばかりでは疲れてしまうから、受け流す技術を身に着けておくのは良いかもしれません。

小野講堂はきれいだけれど、よそよそしい感じで残念。今度は文キャンの普通の教室でやってほしい。