坂田靖子『くされ縁』

裏表紙には『JUNE』に13年間連載中の短編の中から22篇を収録、とあります。
表題作の『くされ縁』や、変わり者の友人との最後の正月を描いた「村野」をはじめとするシリアスな作品は抜群です。坂田靖子の作品は初めて読んだのですが、萩尾望都の短編のようにストンとはオチないけど、なんともいえない余韻を残して、それがじわじわと広がっていく読後感。不思議と読み返したくなる不思議な作品群です。