この間、サークルのメンバー十数人とエロ雑誌を囲む場面があって、「同じ状況を何かで見たなあ…」と思っていたのですが、この文庫本に収録されている『スクールガール・プリンセス』でした。

櫻の園 白泉社文庫

櫻の園 白泉社文庫

表題作の『櫻の園』は、数百本の桜の木に囲まれた女子高を舞台に、演劇部の少女たちの悩みをオムニバス形式でつづった作品です。なまなましい話が多いのですが、同性のクラスメートの机に、「風に散る 花橘を袖に受けて 君が御跡と偲ひつるかも」と万葉集の句を書きつけるシーンは、爽やかで秀逸です。