「わたし、やっぱり就職しようと思うんだけど」『あなた、××業界は好きだけど将来性がないから厭、って言ってたわね。でも、○○○業界だって、長い目で見れば斜陽じゃない』「…業界を問わない職種だから、転職すれば…」『あなたにそんな器用な真似ができるとは思わないけど。昔から沈みかけた船に乗り込んでしまうタイプでしょ』「…」『そもそも卒業できるの、あの卒論で。どうせ残りの単位も危ないんでしょう。成績発表を見て、泣きながら事務所に詰め寄るなんて、恥ずかしい真似はしないでね』「…」『結局、院は蹴るわけね。恩師を騙して、教務と院生に迷惑をかけておいて…。あなたに誠意ってものはないの』「…ごめんなさい…」