岩井志麻子『邪悪な花鳥風月』
- 作者: 岩井志麻子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2004/08/20
- メディア: 文庫
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弘恵が書いた「虚空の鳥」「散らない花」「いずれ檸檬は月になり」「黒い風の虎落笛」の4篇と序章・終章からなっている。『ぼっけえ、きょうてえ』のような土着的な雰囲気はなく、全体的に都会的でスマートな作風だが、「いずれ檸檬」が一篇だけ異彩を放っている。幻想的かつ分裂病的で、なんとなく笙野頼子の『水晶内制度』を連想させる。とても面白い。