『狂女王フアナ』☆☆☆★★

狂女王フアナ―スペイン王家の伝説を訪ねて

狂女王フアナ―スペイン王家の伝説を訪ねて

最愛の夫フェリペの遺体を埋葬せず、棺とともに国内をさまよい続け(Francisco Padilla y Ortiz "Doña Juana la Loca"←その様子を描いた絵画で、フアナを描いたものの中では最も有名なものでしょう)、のちに父王に捕らえられ40年以上の幽閉生活を送った、カスティーリャ女王・フアナの伝記。作者がフアナゆかりの土地をたずねた探訪記つき。独特のくだけた語り口は好みが分かれるところですが、作者のフアナへの深い共感が伺えます。また、この作者は、フアナの狂気は伝説の産物で、実際の彼女は正常だったと主張しています。私はあまり詳しくは知らないのですが、Wikipediaの記事によると、佯狂説を唱える人もいるようです。
フアナについての映画が去年公開されていたようなので、機会があれば観たいと思います。