島田雅彦『彗星の住人』

彗星の住人―無限カノン〈1〉 (新潮文庫)

彗星の住人―無限カノン〈1〉 (新潮文庫)

1970年代のフェミニストが、男性視点で語られてきたhistory(歴史)に対して、HERstory(女の歴史)の可能性を模索したように、historyをLOVEstoryという切り口で語ろうとする試みは面白いです。二人称も目新しいとは思います。ただ、ストーリーが絶望的につまらないです。『百年の孤独』や『アブサロム、アブサロム!』と比べるのは酷だけれど、『ベルカ、吠えないのか?』と比べても…。