銀座の百貨店で、前に行ったとき品切れだったAMEDEIのチョコレートを買うことができた。

銀座に行くようになったのは、わりと最近のこと。それ以前には、歌舞伎座に行ったのと、向かいにアダルトショップがある小さな映画館に「発禁本 SADE」を観にいったくらい。でも、普段行かない街なのに、歩いていると既視感を覚える。『八本脚の蝶』の中で、奥歯さんがしばしば銀座を訪れているからだ。メゾン・エルメスの、レカンの、教文堂の前で彼女の日記を思い出し、石畳にヒールの跡が残っていないかと期待をしてみる。銀座通りは、まるで彼女の祝福を受けたかのように、燦然と輝いている。