海の少女ヒナ

小学校高学年の頃、偕成社の「大人と子どものための世界のむかし話」というシリーズが好きで、市立図書館に通いつめたのだが、『ポリネシアメラネシアのむかし話』ISBN: 4035350508に収録されている「海の少女ヒナ」という話だけ、はっきりと覚えている。
ある国の王子が海の底に住む美少女の噂を聞きつけ、砂浜に少女の好みそうなままごとの人形を置いて、美少女を生け捕りにし、嫌がる少女を自分の花嫁にするという話だった。長い間、王子は子どものくせに犯罪者のようにずる賢い奴だと思い続けてきたが、今日やっと気がついた。チャールズ皇太子の例のように、王子だからといって若いとはかぎらないのだ。そもそも王子が子どもなら、なぜ早急に花嫁を探す必要があったのか、無理やり結婚するような生殖能力があるかどうかが疑問だ。
以降、わたしの仮説。挿絵では、王子は美少女と同じ年頃の少年に描かれていたが、本当は美少女よりかなり年上の男性だったのかもしれない。中年男性が10歳前後と思われる美少女の噂を聞きつけ、罠にはめてレイプしてしまうという絵は、児童書的には好ましいものではなかったので、挿絵画家が気を利かせたのかもしれない。
…しかし、ストーリー自体の記憶が間違っている可能性があるので、今度図書館に行ったときに小学生に混じって読み返してみようと思う(本は絶版)