送辞

ブラジルのインターナショナルスクールの卒業式で、英語の教師*1がしたスピーチをよく覚えている。
「卒業生の君たちは裕福な家庭に生まれ、最高水準の教育を受けてきた。これから君たちが出会う人の多くは、君たちよりずっと恵まれない境遇の人だろう。これから出会う人たちに「彼のように恵まれた境遇なら、私にだって彼ぐらいのことはできた」と言われないようにしなさい。「彼のように恵まれた境遇でも、彼ほどのことはできなかった」と言われるように頑張りなさい。」

*1:ちなみに、この先生はわたしの『グレート・ギャツビー』のレポートを「本を読んだことは分かるが、何が言いたいのかが分からない」と突き返して、わたしをESL送りにした(たしかにそのレポートはひどかった)でも、それまでに『百年の孤独』、『ハムレット』、『闇の奥』など文学作品を解釈することの楽しさを教えてくれた。極端なレイシストでシニシストであるという点を差し引いても、すばらしい先生だった。『緋文字』は違う先生だったか?