アン・マキャフリー『歌う船』

歌う船 (創元SF文庫 (683-1))

歌う船 (創元SF文庫 (683-1))

金属の殻に封じ込められ、神経シナプスを宇宙船の維持と管理に従事する各種の機械装置に撃がれたヘルヴァは、優秀なサイボーグ宇宙船だった。〈中央諸世界〉に所属する彼女は銀河を翔け巡り、苛烈な任務をこなしていく。が、嘆き、喜び、愛し、歌う、彼女はやっぱり女の子なのだ……!サイボーグ宇宙船の活躍を描く傑作オムニバス長編。

ハーレクイン・ロマンス@宇宙。
聡明で勝気な主人公ヘルヴァに、皮肉屋の監督官ナイアル・パロランがぐいぐい惹かれていく過程が面白い。シェル・ピープルは外殻に閉じ込められているので、本当の姿を見ることができない。でもヘルヴァを好きになったナイアルは、どうにもならないことだと知りつつも、一財産はたいて、ヘルヴァの染色体パターンから外挿図を作ってしまったりする。とてもロマンティックです。